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街を歩いていて、自分と同じスニーカーを履いている人を見かけて、少しがっかりした経験はありませんか?ナイキやアディダス、コンバースといった人気ブランドは確かに優れた製品ですが、その人気ゆえに街中で被ってしまうのも事実です。
「おしゃれなスニーカーが欲しいけど、みんなと同じは嫌だ」「個性的なデザインで、でも品質も妥協したくない」そんな風に思っている方も多いのではないでしょうか。実は、世界、そして日本にも知る人ぞ知る魅力的なスニーカーブランドがたくさん存在します。まだ認知度が低く、取扱店舗も限られているため、街で被る心配がほとんどありません。
今回は、そんな人と被らないスニーカーブランド10選をご紹介します。北欧や東欧の歴史あるブランドから、日本の職人技が光る国産ブランド、そして軍用シューズを再構築したユニークなブランドまで、それぞれに独自の魅力とストーリーがあります。デザイン性、品質、価格のバランスも考慮しながら厳選しましたので、きっとあなたの足元を特別にする一足が見つかるはずです。
- 知る人ぞ知るブランド
- 個性的なデザイン
- 高品質な作り
- 街で被りにくい
人と被らないスニーカーブランド10選! 前編
カルフ|フィンランド生まれの珍しいブランドのスニーカー

Karhu ALBATROSS 82 |カルフより
フィンランド生まれのKarhu(カルフ)は、1916年創業という100年以上の歴史を誇るスポーツブランドです。ブランド名はフィンランド語で「熊」を意味し、ロゴにも力強い熊のマークが採用されています。元々はクロスカントリースキー用品やランニングシューズで名を馳せ、多くのオリンピック選手にシューズを提供してきました。特筆すべきは、1970年代に世界で初めて「エアクッションシステム」を開発したという技術力。その革新性は、現代のスニーカー業界にも大きな影響を与えています。
デザイン面では、サイドに配された「M」ロゴが最大の特徴です。このロゴデザインは一度見たら忘れられないインパクトがあり、カルフのアイデンティティとなっています。さらに注目したいのが、北欧らしい洗練された配色センス。レトロランニングシューズのシルエットを現代的にアップデートしながら、他ブランドには真似できない独特なカラーブロッキングを実現しています。この絶妙な色使いこそが、ファッション感度の高い人々から支持される理由です。
機能面では「Fulcrum(フルクラム)」テクノロジーという独自技術を搭載。かかとから前足部への体重移動をスムーズにする設計で、快適な歩行をサポートします。また、高品質なピッグスキンスエードやメッシュ素材を使用し、クッション性と安定性のバランスも抜群。軽量でありながら耐久性が高く、長く愛用できる品質を備えています。
人気モデルとしては、1995年のオリジナルを復刻した「ARIA 95」が最も高い支持を集めています。ほかにも、1982年のクラシックランニングシューズ「ALBATROSS 82」や、上質な素材と精緻なディテールで仕上げられた「FUSION 2.0」など、魅力的なラインナップが揃っています。
人と被りにくい最大の理由は、日本での展開が限定的だという点です。取扱店舗が少ないため、街で同じモデルを履いている人に出会うことはほとんどありません。一方でヨーロッパではファンが多く、知る人ぞ知るブランドとして高い評価を得ています。価格帯は15,000~25,000円程度と大手ブランドのハイエンドモデルと同等ですが、その品質とデザインの独自性で確かな差別化を実現しています。特にカラーリングのセンスは唯一無二で、個性的なスニーカーを求める方にとって理想的な選択肢となるでしょう。
ウォルシュ|イギリス生まれの人と被らないクラシックで上品なデザイン

TORNADO-T GREY_WHITE|ウォルシュより
イギリスのボルトンで1961年に誕生したWALSH(ウォルシュ)は、60年以上の歴史を持つフットウェアブランドです。創業者のNorman Walsh(ノーマン・ウォルシュ)氏は14歳で靴職人の道に入り、長年の経験を経て同ブランドを立ち上げました。現在も創業地のボルトンで、少人数の職人による手作業での生産を続けており、「Made in England」にこだわる数少ないスニーカーブランドの一つとなっています。
同ブランドの魅力は、クラシックなブリティッシュランニングシューズのシルエットにあります。シンプルで無駄のないミニマルなデザインは、レトロな雰囲気を残しながらも時代に左右されない普遍性を備えています。配色もネイビー、グレー、ホワイト、バーガンディなど、英国らしい落ち着いた色使いが中心。派手さはありませんが、分かる人には分かる「本物」感が漂っています。
製造面では、一足一足を職人が手作業で製造し、伝統的な製法を守り続けています。高品質なスエードやナイロンを使用し、EVAミッドソールによる軽量性とクッション性、優れたグリップ力のアウトソールを実現。足なじみの良い柔らかな履き心地も特徴です。
人気モデルとしては、1983年のロンドンマラソンで上位入賞者の足元を支えた「TORNADO-T」や、履き口にHainsworth社のメルトンウールを採用した「TORNADO-T HS」、1981年のニューヨークマラソンに向けて開発された「ENSIGN」などがあります。
価格帯は2〜3万円程度と、完全ハンドメイドの英国製としては驚くべきコストパフォーマンス。日本での知名度は非常に低く取扱店舗も限られているため、街で同じモデルを履いている人に出会うことはほとんどありません。一方で、英国では国を代表するスポーツシューズブランドとして、世界各国の敬意あるブティックで取り扱われています。
クラシックで上品なデザインなので、きれいめカジュアルからトラッドスタイルまで幅広く合わせやすいのも魅力。特に英国らしいツイードジャケットやチノパンとの相性は抜群で、大人の休日スタイルに最適です。控えめながら確かな存在感があり、さりげなく良いものを履いているという満足感が得られます。
ノヴェスタ|珍しい&知る人ぞ知る東欧の歴史あるブランド

STAR MASTER WAX COTTON NATURAL|ノヴェスタより
1939年にスロバキア(当時のチェコスロバキア)のパルチザンスケで誕生したNovesta(ノヴェスタ)は、80年以上の歴史を持つシューズブランドです。小さな町の工業地区、バタ・インダストリアル・パークの中でひっそりと創業し、第二次世界大戦、冷戦、社会主義時代、国家分裂という激動の歴史を経ながら、純スロバキア産のフットウェアを作り続けてきました。
1992年、チェコ・スロバキア分裂の一年前に、ヨーロッパを代表する工場として成長した同社は純スロバキア産のスニーカーブランドとしてノヴェスタを立ち上げます。以来、ヨーロッパの繊細さと東欧の素朴な質感が残るハンドメイドスニーカーを作り続け、世界各国のブランドとのコラボレーションも展開しています。
デザイン面では、ミニマルでタイムレスなヨーロピアンクラシックな雰囲気が特徴。無駄を削ぎ落としたシンプルな構造に、ホワイト、ネイビー、グレー、ベージュなどベーシックなカラーリングが映えます。製造面では、ハンドメイドによる丁寧な仕上げと、長年履いても型崩れしにくい耐久性の高さが魅力です。
代表モデルの「STAR MASTER」は、1960年代に生産されていたベーシックなスニーカーをバルカナイズド製法で作った、象徴的かつ素朴な一足。「MARATHON」は1988年のソウルオリンピックのチェコスロバキア代表のために作られたトレーニング用シューズの復刻で、金メダルを獲得した競歩選手Jozef Pribilinec(ヨゼフ・プリビリネチ)氏に愛用されました。「GERMAN TRAINER」は、ドイツ軍とチェコスロバキアで生産されていたトレーニングシューズを現代的にアップデートしたモデルです。
価格帯は1~3万円台程度と、ヨーロッパ製ハンドメイドシューズとしては非常にリーズナブル。東欧の歴史あるブランドという珍しさ、CONVERSEやVANSとは異なるヨーロピアンな雰囲気が独自の立ち位置を築いています。日本での認知度は低く取扱店舗も限定的ですが、ヨーロッパではエコ意識の高い層や本物志向の人々から支持されています。
スプリングコート|ジョン・レノンが愛用した珍しいブランド

G2 CANVAS|スプリングコートより
1936年にフランス・パリで創業されたSpring Court(スプリングコート)は、85年以上の歴史を持つスニーカーブランドです。1960年代には、ジョン・レノンが愛用したことで世界的に有名になり、特に白いキャンバススニーカー「G2」は、レノンがほぼ毎日履いていたことで伝説的な存在になり、ビートルズのアビイ・ロードのアルバムジャケットでも着用されていたとのこと。
同ブランド最大の特徴は、ソールに施された4つの空気穴(ベンチレーションホール)です。これは単なるデザインではなく、歩くたびに空気が循環し、靴内の湿気を外に排出する実用的な機能。この「呼吸するスニーカー」というコンセプトは、1936年の創業時から変わっていません。天然ラバーソールによる優れたクッション性、通気性に優れた設計により、オールシーズン快適に履くことができます。
デザイン面では、フレンチカジュアルの代表的なミニマルデザインが魅力。流行に左右されないタイムレスなシルエットに、つま先部分の丸みを帯びた優しいフォルム、清潔感のあるカラーリングが特徴で、オーガニックコットンやレザーなど、多彩な素材をアレンジしたユニセックスなスニーカーを展開しています。
代表モデルの「G2 CANVAS」は、シンプルでエレガンスなローカットデザインが足首を美しく見せ、100%コットンで作られた永遠の定番です。「B2 CANVAS」も同様のコンセプトで、ブランドのノウハウが詰まった一足となっています。
価格帯は1万円台中盤から3万円程度。日本では一部のセレクトショップでのみ取り扱いがあり、大手スポーツ店などでは見かけません。フランスやヨーロッパでは定番ブランドとして認知されていますが、日本では「知る人ぞ知る」存在です。
フレンチカジュアルの定番アイテムとして、ボーダーシャツ、デニム、チノパンなどと相性抜群。特に春夏の軽やかなスタイリングに最適で、素足で履いても快適な履き心地です。シンプルなデザインなので、年齢やスタイルを選ばず、長く愛用できます。
プロケッズ|知る人ぞ知るアメリカンスポーツカルチャーの原点

ロイヤルプラス スエード ロー マスタード PN1021MU|プロケッズより
アメリカのスニーカーブランド「Keds」のプロスポーツラインとして1949年に誕生したPRO-Keds(プロケッズ)。1950年代には世界初のハイカットのバスケットボールシューズ「ロイヤルアメリカ ハイ」が発売され、現在のロサンゼルス・レイカーズの前身である「ミネアポリス・レイカーズ」の黄金時代を支えました。この間、同チームは6年間で5回のNBAチャンピオンを獲得。コンバースと並ぶアメリカンバスケットボールシューズの元祖として、NBAで実際に使用されたパフォーマンスシューズであり、ストリートバスケットボール文化の象徴的存在となりました。
デザイン面では、レトロアメリカンな雰囲気とシンプルでクラシックなシルエットが特徴。赤と青のストライプ(通称「パワーストライプ」)が象徴的で、ミニマルながら存在感のあるデザインとなっています。1980年代以降はヒップホップ文化との深い結びつきも生まれ、スニーカーカルチャーの中で独自の地位を築いてきました。
日本では、1990年代にストリートカルチャーの第一人者である藤原ヒロシ氏が雑誌で取り上げたことで大ブームに。特にコロンビア製の「ロイヤルプラス」を「ラストコロンビア」として紹介した際には、国内在庫が瞬く間に完売し、一気にプレミアムなブランドへと押し上げられました。その後2000年代に入って日本市場から一時撤退したそうですが、2024年4月には東京・原宿にプロケッズ原宿店がオープン。歴史あるモデル「ロイヤルアメリカ」「ロイヤルプラス」が、ビブラムソールや厚みのあるインソールの採用でアップデートされ、見た目はローテクながら中身はハイテクなシューズとして再注目されています。
価格帯は1万円台前半から中盤程度と、見た目がローテクな高機能スニーカーとしてはリーズナブル。また、コンバースやVANSと比べて圧倒的に知名度が低く、現状、取扱店舗も非常に限定的なため、街で同じモデルを履いている人に出会うことは珍しいといえるでしょう。
スタイリングでは、ジーンズやチノパンとの相性が抜群で、ヴィンテージアメリカンな雰囲気作りに最適。オールドスクールなヒップホップスタイルやスケートカルチャーとの親和性も高く、シンプルだからこそ主張しすぎません。また、ノームコアスタイルのベーシックアイテムとして、あるいはきれいめカジュアルの外しアイテムとしても活躍します。アメリカンスポーツカルチャーの原点の一つを履くという意味を持ち、本当のスニーカー文化を理解している証明となるブランドです。
▼履き心地アップデートで再注目【プロケッズ】
人と被らないスニーカーブランド10選! 後編
ムーンスター|日本のスニーカーメーカー一覧の代表格

LOW BASKET チノベージュ|ムーンスターより
1873年(明治6年)に福岡県久留米市で創業したMoonstar(ムーンスター)は、150年以上の歴史を持つ日本最古級のシューズメーカーです。創業者の倉田雲平氏が「つちやたび店」として地下足袋の製造を開始したのが始まり。1920年代にゴム底の運動靴製造を開始し、日本の学校体育靴のパイオニアとなりました。戦後は「月星シューズ」として全国の学校に普及し、多くの日本人が子供時代に履いた「上履き」や「運動靴」を製造してきた、最も身近なシューズブランドの一つです。
同ブランドには複数のラインがあり、中でも注目したいのが「FINE VULCANIZED(ファインバルカナイズド)」シリーズ。久留米工場で職人が作る最高級ラインで、アッパーとソールを専用の釜で加熱・加圧する伝統のバルカナイズ製法により、シンプルで洗練されたデザインを実現しています。代表モデルには「GYM CLASSIC」「SIDEGOA」「ALWEATHER」などがあり、国内でも数少ない加硫窯を持つ工場で、熟練職人による手作業で製造される希少性の高い「Made in Kurume」のプロダクトです。
他にも、学校用シューズの技術を活かした「SKOOLER(スクーラー)」シリーズや、専門分野で培った靴作りのノウハウを日常の道具として提案する「810s(エイトテンス)」シリーズなど、機能性とファッション性を融合したラインを展開。日本人の足を知り尽くした靴作りを行い、幅広・甲高な日本人の足に最適化されたラスト(木型)を使用しているのも特徴です。
その一方、多くの人にとって「ムーンスター=学校の上履き」というイメージが強く、ファッションアイテムとして認識されにくいのが実情。しかし、FINE VULCANIZEDシリーズなどは、その品質とデザインで海外でも高く評価されています。派手な広告宣伝を行わず品質重視の姿勢を貫いているため、ファッション層への認知度は低めですが、その分「知る人ぞ知る」感が強く、本物志向、またコスパの良さにこだわる人々から支持されています。
▼ムーンスターの公式ショップでチェック!
シューズライクポタリー|知る人ぞ知る日本製のスニーカー

LOW WHITE|シューズライクポタリーより
前の見出しでご紹介した、福岡県久留米市にあるムーンスターの工場で生産されるもう一つのブランド、それが「Shoes Like Pottery(シューズライクポタリー)」です。そのブランド名は「焼き物みたいなくつ」を意味し、ゴム産業発祥の地である伝統的な久留米の職人技を体現したスニーカーブランドとして注目を集めています。
最大の特徴は、職人が一足一足手作業で窯入れし、焼き加減を見極める「バルカナイズ(加硫)製法」。この製法により、ソールとアッパーが化学的に結合し、より剥がれにくい構造を実現します。
デザイン面では、極めてシンプルでミニマルなデザインが特徴。日本の美意識「引き算の美学」を体現したクラシックなローテクスニーカーのシルエットに、過度な装飾を排した機能美が際立ちます。ソール側面の「青い○」のマークは、適切に加硫製法で作られた品質の証。天然ゴムを主原料としたソールを使用し、型崩れしにくい堅牢な作りで、履き込むほどに足に馴染む経年変化も楽しめます。
久留米は古くからの日本のゴム靴産業の中心地ですが、現在この伝統的な加硫製法を続けているのはごくわずか。一日に生産できる数が限られており、窯の温度管理は職人の経験と勘に依存し、季節や湿度によって微調整が必要という、機械では再現できない手仕事ならではの温かみがあります。
価格帯は1万円台前半から中盤程度と、完全ハンドメイドの日本製としては驚くほどリーズナブル。生産数が限られており大量生産ができない製法のため市場に出回る数が少なく、派手な宣伝をせず品質で勝負するブランド姿勢もあり、知る人ぞ知る存在となっています。日本製らしい品の良さできれいめスタイルにも対応し、デニムやチノパンとの相性が抜群。シンプルなデザインなので年齢を問わず長く愛用できる、「メイド・イン・ジャパン」の本質的な価値を体現したブランドです。
フラワーマウンテン|日本発の個性的なスニーカー

YAMANO3 Beige_Green FM63093|フラワーマウンテンより
シューズデザイナーの太田圭輔氏とヤン・チャオ氏が2015年に立ち上げた、日本発のシューズブランド「Flower MOUNTAIN(フラワーマウンテン)」。自然の植物や動物、日本の文化からとった風景をコンセプトに、高度なハンドメイド技術を駆使して作られる靴は、目を引く独創的なデザインが特徴。ファッションシューズとしてはもちろん、フェスやキャンプなどのアウトドアシーンに適した機能性と履き心地の良さを持っています。
最大の特徴は、アウトドアシューズとファッションスニーカーの境界を曖昧にした独特なデザインです。カラフルで遊び心のある配色は、ネオンカラー、アースカラー、パステルカラーを大胆に組み合わせ、スエード、ナイロン、レザー、メッシュなど異素材をミックス。トレイルランニングシューズのような機能的なディテールに、レトロフューチャーな雰囲気を加えています。機能面でも、ビブラムソールを採用したモデルも多く、優れたグリップ力を実現。軽量でありながら堅牢な作りで、防滑性や安定性などアウトドアシューズ譲りの機能性を備えています。
現在の人気モデルとしては、ブランドの原点「YAMANO」を再デザインした「YAMANO3」があります。フラッグシップモデルのコンセプトにデザインライン・素材・カラーコンビネーションなど新たな再解釈が加えられ、アーバンとアウトドアが融合した世界観をストレートに表現。また、「BACK COUNTRY」は完全防水・パラコードシューレースを採用し、ビブラム社の「MEGA GRIP」を使用した本格的なトレッキングモデル。「MOHICAN」はネイティブアメリカンの靴作りから着想を得たハンドステッチが特徴で、職人の手による温もり感が魅力です。
価格帯は2万円から3万円台後半程度と、高価ではあるものの、こだわりの一足としては妥当な値段。アウトドアアクティビティも楽しみつつ、街でもおしゃれに履きたいという人々に支持され、特に普通のスニーカーでは物足りない、けれど本格的なアウトドアシューズは街では重すぎる、という層に最適です。日本では一部のセレクトショップでしか取り扱いがなく認知度は高くありませんが、その分人と被りにくく、カラフルなデザインはスタイリングのアクセントとしても大活躍します。
リプロダクション オブ ファウンド|軍用シューズを再構築した珍しさ

German Military Trainer|リプロダクション オブ ファウンド|ACRMTSMより
2016年に日本で設立された比較的新しいブランド「REPRODUCTION OF FOUND(リプロダクション オブ ファウンド)」。デザイナーが世界各国を巡り、1950年代からの軍用シューズやトレーニングシューズのデッドストックを収集・研究し、それらを現代的に再構築することをコンセプトにしています。ブランド名は「見つけたものの再現」を意味し、歴史的な価値のあるデザインを現代に蘇らせるという理念を表しています。
デザイン面では、各国の軍用シューズの機能美を忠実に再現。ミリタリー特有の無骨さと洗練さの絶妙なバランスが特徴で、時代を超えたユニバーサルなデザインに、国ごとの特徴を活かした多様なシルエットを展開しています。品番表記には国名と年代を含み、オリジナルへのリスペクトが込められています。製造面では、スロバキアやポルトガルなどヨーロッパの職人による生産で、当時の製法を研究しながら現代の技術で品質を向上。上質なスエードなどを使用し、ビブラムソールなど、こだわりの選定により現代的な履き心地をも追求しています。
現在、最も人気のモデルは、1970年代の西ドイツ軍トレーニングシューズをベースにアレンジした「1700L/GERMAN MILITARY TRAINER」。また、「5400SL/RUSSIAN MILITARY TRAINER」は1990年代にロシア軍で採用されていた通称「ロシアントレーナー」で、放出品ではもう手に入らない幻の逸品を現代的に蘇らせたとのこと。このように、単なるレプリカではなく、オリジナルの良さを残しながら現代的にアップデートしている点がポイントです。
価格帯は1万円台中盤から3万円程度で、ヨーロッパ製の本格的な作りとしては適正価格。様々なブランドとのコラボレーションも実現し、国内外のセレクトショップで高く評価されています。
ミリタリーシューズをベースにしているという特殊なジャンルで、各モデルが特定の国の軍用シューズという明確な背景を持つため、一般的な認知度は低く、人と被りにくいブランドです。しかし、その一方で都会的で洗練された要素も併せ持っているため、ワークウェアやミリタリースタイルとの相性は抜群。きれいめカジュアルの外しとして、あるいはモードなスタイリングのアクセントとしても機能し、履き込むほどに味が出る、各国のミリタリーシューズの歴史を履くというストーリー性のあるブランドです。
ナイキ|人と被らないスニーカーという観点から

Nike Air Max 95|ナイキより
最後に、世界最大のスポーツブランドであるNIKE(ナイキ)を「人と被らない」という観点から見ると、正直なところ基本的には被りやすいブランドといえます。日本でも街中で最も見かけるスニーカーブランドで、エアフォース1、エアマックス、ダンクなどの超定番モデルは、大量生産・大量流通システムにより圧倒的な市場シェアを誇っています。
しかし、実はナイキでも被らない選択肢は存在します。例えば、1980〜90年代の復刻されていないモデルや廃盤になったランニングシューズなどのヴィンテージ・デッドストックは、価格は高いものの唯一無二の存在感があります。また、NIKE SB(スケートボーディング)の限定モデル、ACGの現行テクニカルモデルなど、マイナーなサブラインも狙い目です。さらに、韓国限定や中国限定などのリージョナルモデル、ヨーロッパ限定のフットボールカルチャー系も人と被りにくい選択肢となります。
また、Nike By You(旧NIKEiD)で自分だけの配色を作る、ヴィンテージ加工やカスタムペイントを施す、レースを革紐やロープレースに変更するなど、カスタマイズ戦略も有効です。
逆に避けるべき超定番モデルは、エアフォース1のローカット(白、黒)、エアマックス90・95の定番カラー、エアジョーダン1の人気カラーなど、街で必ず見かけるモデルです。
結論として、ナイキでも人と被らないことは可能ですが、情報収集(限定情報、リストック情報)、資金力(プレミア価格、ヴィンテージ)、センス、タイミング(人気の波を読む)といった努力が必要になります。正直な評価として、「人と被らない」を最優先するなら、これまでの見出しで紹介した他のブランドの方が、少ない努力で確実に差別化できます。ただし、「被ってもいいから良いものを履きたい」という考え方ももちろん正解です。結局は、何を優先するかの問題といえるでしょう。
まとめ 人と被らないスニーカーブランド10選!
ここまで紹介してきた10のブランドを振り返ってみましょう。
・カルフ:フィンランド生まれで100年以上の歴史を持つブランド。北欧らしい洗練された配色と独特な「M」ロゴが特徴。日本での展開は限定的で、取扱店舗が少ないため街で被ることは稀
・ウォルシュ:1961年イギリス創業で、現在も創業地ボルトンで職人による手作業生産を続ける「Made in England」の数少ないブランド。クラシックで上品なブリティッシュランニングシューズのシルエットが魅力
・ノヴェスタ:1939年スロバキア創業で80年以上の歴史を持つ東欧ブランド。ミニマルでタイムレスなヨーロピアンクラシックなデザインと、環境配慮の姿勢が特徴。日本での認知度は低く取扱店舗も限定的
・スプリングコート:1936年フランス・パリ創業で、ジョン・レノンが愛用したことで有名。ソールに施された4つの空気穴による「呼吸するスニーカー」が最大の特徴。日本では一部セレクトショップのみの取り扱い
・プロケッズ:1949年誕生のアメリカンバスケットボールシューズの元祖。1990年代に藤原ヒロシ氏の影響で日本で大ブームとなり、2024年に原宿店がオープンして復活。現在はビブラムソールなどで現代的にアップデート
・ムーンスター:1873年創業の日本最古級シューズメーカー。久留米工場で作られるFINE VULCANIZEDシリーズは、伝統のバルカナイズ製法による最高級ライン。多くの人にとって「上履き」のイメージが強いため、ファッションアイテムとして認識されにくい
・シューズライクポタリー:ムーンスターの工場で生産される「焼き物みたいなくつ」。職人が一足一足手作業で窯入れし、焼き加減を見極めるバルカナイズ製法が特徴。生産数が限られており、市場に出回る数が少ない
・フラワーマウンテン:2015年に日本で立ち上げられた、アウトドアとファッションを融合させたブランド。カラフルで遊び心のある配色と、ビブラムソールによる機能性が魅力。一部セレクトショップのみの取り扱いで認知度は高くない
・リプロダクション オブ ファウンド:2016年日本設立で、1950年代からの各国軍用シューズを現代的に再構築。ミリタリー特有の無骨さと洗練さのバランスが特徴。ヨーロッパの職人による生産で、特殊なジャンルのため一般認知度は低い
・ナイキ:世界最大のスポーツブランドで基本的には被りやすいが、ヴィンテージやマイナーなサブライン、限定モデルなどで差別化は可能。ただし情報収集力や資金力、センスなどの努力が必要
ぜひ自分のスタイルや予算に合った一足を見つけて、足元から個性を表現してみてください。
▼履き心地アップデートで再注目【プロケッズ】




氏名:宮城良太(みやぎ りょうた)
生年月日:1995年10月21日
略歴:文化服装学院(工芸課程)→デザイナー(スポーツアパレル)→個人業(財布の製造・ブログ)
好きな言葉:要は慣れ