レトロなデザインと確かな品質で知られるスニーカーブランド、オニツカタイガー。「名前は聞いたことがある」という方も多いでしょう。しかし、「アシックスとどう違うの?」「なぜ今こんなに人気なの?」「自分の年齢で履いても大丈夫?」といった疑問を持つ方も少なくないはずです。
実は、このブランドには興味深い歴史があります。1977年に一度姿を消したものの、2002年に復活。そして今、海外での成功を経て、日本国内でも再び注目を集めているのです。
このブログでは、オニツカタイガーの人気の理由を、海外と日本国内の両面から徹底的に検証していきます。アシックスとの違い、芸能人の愛用事例、人気モデル、履き心地、年齢層まで、様々な角度から詳しく解説します。
- 人気の理由を解説
- アシックスとの違い
- ランキング形式で紹介
- 年齢層や履き心地も
目次
なぜ人気?オニツカタイガー|前編
オニツカタイガーの魅力|なぜ今、国内で人気があるのか

オニツカタイガーより
街を歩いていて、オニツカタイガーのスニーカーを履いている人を見かける機会が増えたと感じませんか? 実は今、日本国内でオニツカタイガーの人気が急上昇しています。
その背景には、興味深い「逆輸入」的な現象があります。元々、2002年にブランドが復活した際、まずヨーロッパのレトロファッションブームで火がついたオニツカタイガー。その海外での成功が、日本国内での再評価につながったのです。「海外で評価されている日本ブランド」という認知が、国内での人気を後押ししました。
また、店舗によっては、訪れる客の6割以上が外国人観光客という状況も、このブランドの魅力を物語っています。世界中から注目されるブランドであることが、日本国内でも「選ばれる理由」となっているのです。
さらに、ナイキやアディダスとは一線を画す個性的なデザインも支持される理由の一つ。特にストリート系やモード系のファッションと組み合わせると、洗練された印象を演出できます。加えて、高品質でありながら手が届きやすい価格設定も、幅広い層に受け入れられる要因となっています。
昨今の日本市場においては、このリーズナブルな価格というのが最も魅力的な要素かもしれません。
まとめると、グローバルでの成功が日本国内での人気を呼び起こすという逆輸入的な構造と、高いレベルのデザイン・品質ながら手の届きやすい価格設定。この両輪が、オニツカタイガーの魅力を際立たせているのです。
人気の背景|オニツカタイガーの海外での成功

オニツカタイガーより
日本国内での人気の背景には海外での成功があることをお伝えしましたが、では、なぜ海外でこれほどまでに支持されているのでしょうか。
その規模を示すデータを見てみましょう。2024年12月期のグローバル売上高は954億円で、直近の5年間で売り上げは2倍と急成長を遂げました。そして、2025年7月時点で、全世界に192の直営店を展開しています。まさに、世界中で愛されるグローバルブランドなのです。
この成功の背景には、緻密な戦略があります。まず、2002年のブランド復活時、ヨーロッパでクラシックタイプのシューズが再評価される流れを的確に捉えたこと。レトロファッションブームという時代の波に乗ったタイミングが絶妙でした。
さらに、2003年の映画『キル・ビル』でユマ・サーマンが着用したことで、ポップカルチャーを通じた認知度が一気に拡大。この文化的インパクトが、ファッショナブルなイメージを確立する大きな転機となりました。
加えて、スポーツシューズでありながらスポーツ用品店ではなく、ファッションの文脈(セレクトショップなど)で販売することで、明確にターゲットを絞り込んだのです。
そして海外では、「レトロジャパン」「クールジャパン」を象徴するブランドとして認識されています。日本のブランドであること自体が、海外の消費者にとって大きな魅力となっているのです。
つまり、オニツカタイガーの海外人気は偶然ではなく、時代の流れを見極めた戦略と、日本ブランドとしての品質・デザイン性が組み合わさった結果と言えるでしょう。
アシックスとオニツカタイガーの違いは?

アシックスより
ところで、「オニツカタイガーとアシックスって何が違うの?」と疑問に思ったことはありませんか。実は、両者は同じアシックス社のブランドなのです。
その違いを理解するには、歴史を遡る必要があります。1949年に設立された「鬼塚株式会社」が起源で、1977年に他のスポーツメーカーと合併して「アシックス株式会社」として生まれ変わりました。この時、すべてのブランドを「アシックス」に統合し、「オニツカタイガー」は一度姿を消します。しかし、2002年にライフスタイルブランドとして復活を果たしたのです。
では、具体的にどう違うのでしょうか。最も大きな違いは、その目的です。アシックスはスポーツパフォーマンスブランドとして、ランニングやトレーニングなど競技での使用を前提に設計されています。一方、オニツカタイガーはスポーツファッションブランドとして、街中でのファッションアイテムとしての役割を担っています。
デザイン面でも違いは明確です。アシックスは機能性を追求し、GEL素材やグリップパターンなど、スポーツ競技のための技術が細部に反映されています。対してオニツカタイガーは、1970〜80年代のクラシックなシルエットをベースに、現代的な素材やカラーリングを取り入れたヴィンテージ感あるデザインが特徴です。
ターゲット層も異なります。アシックスはアスリートやスポーツ愛好家を対象とし、特にマラソンランナーからの支持が厚いブランド。一方、オニツカタイガーはファッションに敏感な層を中心に、カジュアルシーンでの活用を想定しています。
簡単に言えば、運動するならアシックス、おしゃれに街歩きするならオニツカタイガー。同じ会社の製品でも、シーンによって選ぶべきブランドが違うということですね。
芸能人にも履いている人が多数|オニツカタイガー
オニツカタイガーの人気を語る上で欠かせないのが、国内外の著名人による愛用です。芸能人やセレブが履くことで、ブランドの認知度とイメージが大きく向上してきました。
海外での転機となったのは、2003年公開の映画『キル・ビル』です。ユマ・サーマンが黄色の衣装に合わせて「Taichi」というモデルを着用したことで、世界中で注目を集めました。この鮮やかなイエローは、今でもオニツカタイガーを象徴するカラーとして認識されています。
また、伝説的なアーティスト、アンディ・ウォーホルもオニツカタイガーの愛用者でした。ボタンダウンシャツにデニムパンツ、足元にスニーカーというラフなスタイルで、堅苦しいアーティスト像を打ち破った彼にとって、オニツカタイガーは最適な選択だったのでしょう。さらに、英国王室のウィリアム王子が定番モデル「メキシコ 66」を長年愛用していることも話題になっています。
日本国内でも、多くの芸能人が支持しています。田村淳さん(ロンドンブーツ1号2号)は7足ものオニツカタイガーを所有しており、オニツカタイガー公式サイトに掲載されているインタビュー記事で「派手ではないのに足元にきちんとアクセントがついて、そのバランスがすごくいい」と語っています。また、俳優の山下智久さんはブランド70周年記念のコラボプロジェクトに参加し、「リンカンブーツ」のデザインに関与しました。
K-POP界でも人気は高く、TWICEのモモやRed Velvetのスルギが着用するなど、若い世代への影響力も増しています。
伝説的なセレブから現代のインフルエンサーまで、幅広い層に愛されているオニツカタイガー。芸能人の着用が、ブランド価値をさらに高めているのです。
人気モデルTOP3をランキング形式でご紹介
オニツカタイガーには数多くのモデルがありますが、特に人気の高い3つのモデルをランキング形式でご紹介します(価格は2025年11月時点)。
第1位:MEXICO 66(メキシコ66)

メキシコ66|オニツカタイガーより
ブランドの顔とも言える、最も人気のモデルです。1960年代のアーカイブデザインをベースに、現代的な要素を取り入れたこのシューズは、世界中で愛される永遠のスタンダード。上質なレザーアッパーと薄底でスタイリッシュなシルエットが特徴で、クッション性に優れた中敷きを搭載しています。カジュアルからスポーティーまで幅広いコーデに対応できる万能性も魅力です。価格は1万5400円となっています。
第2位:SERRANO(セラーノ)

セラーノ|オニツカタイガーより
履き心地を重視する方に支持されているモデルです。メキシコ66と比較してミッドソールが厚めに作られており、クッション性に優れているため疲れにくいのが特徴。長時間歩く際にも快適で、レトロ感を残しつつ実用性を高めています。カラーバリエーションも豊富で、ピンクやオレンジなど季節感のあるカラーも展開されています。価格は1万2100円です。
第3位:GSM(ジーエスエム)

GSM|オニツカタイガーより
「Game・Set・Match」の頭文字を取った名前で、1980年代のテニスシューズを現代風にアレンジしたモデルです。細身でスタイリッシュな本革レザーを使用し、高級感ある大人デザインが特徴。メキシコ66やセラーノよりも主張が少なく、スニーカーでもカジュアルすぎない印象を演出できる点が支持されています。価格は1万4300円です。
どのモデルも豊富なカラーバリエーションがあるので、自分のスタイルに合わせて選べます。ブランドの定番を求めるならMEXICO 66、履き心地重視ならSERRANO、シンプルで上品なデザインを求めるならGSMがおすすめです。
なぜ人気?オニツカタイガー|後編
人気色ランキング|人気モデル「メキシコ66」
人気モデル「メキシコ66」の魅力の一つが、豊富なカラーバリエーションです。ここでは、特に人気の高いカラーをランキング形式でご紹介します。
第1位:バーチ/ピーコート(オフホワイト×ネイビー)

オニツカタイガーより
メキシコ66で一番売れている定番カラーです。真っ白ではなく、全体的にオフホワイトに近い色合いで、サイドのライン、つま先やかかとにはネイビーが使われています。このオフホワイトの色味が年月を経たような渋みを演出し、クラシカルで上品な雰囲気を作り出しています。どんなコーデにも合わせやすく、最も失敗しない選択と言えるでしょう。
第2位:ブラック/ホワイト

オニツカタイガーより
ブラックを基調とした、洗練されたシックな配色です。白色のラインが際立つきれいなツートンカラーで、柔らかく上質なレザーの良さがブラックでは特に際立ちます。大人っぽいコーデに最適で、汚れが目立ちにくいという実用面でのメリットもあります。
第3位:イエロー/ブラック

オニツカタイガーより
ブランドを象徴するアイコニックカラーです。芸能人やインフルエンサーにも愛用者が多い”オニツカイエロー”。ひと際目立つ存在で、足元のアクセントとして抜群の効果を発揮します。
このほか、オールブラックのモードな雰囲気や、トレンド感のあるシルバー、60年代のオリジナルを彷彿させるトリコロールカラーも人気があります。
初めて購入する方にはバーチ/ピーコートやブラック/ホワイトがおすすめ。個性を出したい方には、イエロー/ブラックやシルバーが良いでしょう。豊富なカラーバリエーションから、自分のスタイルに合わせて選べるのがメキシコ66の魅力です。
ダサい?オニツカタイガーのスニーカー
「オニツカタイガーってダサいの?」という疑問を持つ方もいるかもしれません。結論から言えば、これは完全に少数派の意見です。
様々なアンケート結果を見ても、「オシャレ」「ややオシャレ」という回答が過半数を占めており、どの世代からもまんべんなく支持されています。「ダサい」という評価は、実際には少数派なのです。
ただし、ネガティブな意見が全くないわけではありません。レトロなデザインを「古臭い」と感じる方や、最新のハイテクスニーカーに慣れた方からは「シンプルすぎる」という声もあります。また、「個性的すぎて着こなしが難しい」「スポーツシューズっぽい」といった意見も一部で見られます。
しかし、かつて「ダサい」と言われた時代があったとしても、今ではそのレトロ感が「ヴィンテージ」「レトロモダン」として再評価され、ファッションのトレンドど真ん中に返り咲いています。
特に海外では、ヴィンテージ感のあるデザインが「洗練されたおしゃれ」として受け入れられており、韓国や中国ではストリート系ファッションの定番アイテムとして定着。若者世代からは、ナイキやアディダスとは違う個性を出せるスニーカーとして選ばれています。
「スポーティーでカジュアルな服装に合わせやすい」「カラーバリエーションと横のラインがかっこいい」「外しとして機能する」といったポジティブな評価も多数寄せられています。
つまり、「ダサい」という評価は主観的な少数意見であり、実際には圧倒的に高評価が多いファッションアイテムと言えるでしょう。
履き心地は?日本人の足に合う?

オニツカタイガーより
履き心地やサイズ感は、スニーカー選びで最も気になるポイントですよね。オニツカタイガーの履き心地について、実際のユーザーの声を交えて見ていきましょう。
多くの購入者が評価しているのが、軽量性です。「とても軽くて履き心地が良い」「履きやすく気に入っている」という声が多数寄せられています。また、「今まで履いたシューズの中で一番自分に合っている」という高評価もあり、フィット感についても好意的な意見が目立ちます。
特に人気のメキシコ66などの薄底モデルでは、「底が薄いので地面を掴む感じが好き」という、薄底ならではの接地感を楽しむユーザーもいます。クッション性に優れたOrthoLite中敷きを搭載しているため、薄底でも基本的な履き心地は良好です。
ただし、注意点もあります。薄底モデルは、人によっては長時間歩くと足の裏が痛く感じることも。履き心地を重視するなら、ミッドソールが厚めのセラーノなどを選ぶのも一つの選択肢です。
オニツカタイガーは日本生まれのブランドで、基本的には日本人の足に合いやすい設計となっていますが、足の形やサイズ感には個人差があります。普段のサイズより0.5cm大きめを選ぶ方も少なくないと言われており、初めて購入する場合は、できるだけ店舗で試着してから選ぶことをおすすめします。
年齢層は?オニツカタイガー
「自分の年齢で履いても大丈夫かな?」と気になる方もいるかもしれませんね。オニツカタイガーの年齢層について見ていきましょう。
結論から言えば、オニツカタイガーは幅広い年齢層に支持されているブランドです。メインの購買層は30代〜50代の男女で、歩きやすさとバリエーションの豊富さがミドル世代を中心に人気を集めています。レトロなデザインや履き心地の良さから支持を受けており、ビジネスカジュアルとして取り入れる方も増えています。
一方で、若い世代の人気も急上昇中です。SNSで海外のファッショニスタが愛用している影響もあり、10代から20代の若年層にも広がっています。中高生から大学生にかけては、オシャレなスニーカーとして、また「インスタ映え」するアイテムとしても注目されています。
実は、シニア層にもファンが多いのも特徴です。普段使いや散歩用に選ばれており、機能性と懐かしさの両方を楽しんでいる方も多いようです。
様々なアンケート結果を見ても、どの世代からもまんべんなく「オニツカタイガーがオシャレ」だと思われています。つまり、オニツカタイガーは年齢を気にせず履けるブランド。30代〜50代がメイン層ですが、子供から大人まで誰が履いても違和感のない、まさにオールエイジ対応のブランドなのです。
年齢を理由に躊躇する必要は全くありません。
レディースにも人気の理由

オニツカタイガーより
幅広い年齢層に支持されるオニツカタイガーですが、女性からの人気も高まっています。その理由を見ていきましょう。
最大の魅力は、スリムで洗練されたシルエットです。メキシコ66をはじめとする定番モデルは、細身でスッキリとしたフォルムが特徴。きれいめからカジュアルまで、どんなコーディネートにも合わせやすいミニマルさが、普段スニーカーを履かない女性にも支持されています。
また、2025年のスニーカートレンドである「ロープロファイル」にぴったりマッチしているのもポイントです。薄いソールと装飾を省いたシンプルなデザインが、今っぽさを演出。スニーカー好きはもちろん、ファッション感度の高い女性たちからも注目を集めています。
特筆すべきは、スカートやワンピースとの相性の良さです。スポーティーすぎず、かといって地味すぎない絶妙なバランスが、デニムからスカート、ワンピースまで幅広いコーディネートに対応します。ミドル丈のソックスと合わせて足元をスポーティにまとめるなど、お洒落上級者の着こなしテクニックにも最適です。
レトロ感がありながら現代的な雰囲気も兼ね備えたデザインも魅力の一つ。細身のシルエット、薄めのソール、アシックスストライプなど、どこか懐かしさを感じるデザインに、多くの女性が魅力を感じています。
さらに、女性向けのカラー展開も豊富で、サイズ展開も22.5cm〜と、レディースサイズもしっかり用意されています。
「スニーカーだけど上品」という、女性が求める要素を満たしているオニツカタイガー。スポーティーすぎず、きれいめにも対応できる絶妙なバランス感が支持される理由なのです。
まとめ|なぜ人気?オニツカタイガー
ここまで、オニツカタイガーの人気の理由を様々な角度から見てきました。最後に、重要なポイントをまとめておきましょう。
・日本国内では、海外での成功が逆輸入的に人気を後押しし、高い品質と手頃な価格設定が支持されている
・海外では、レトロブームのタイミングを捉えた戦略と、映画での露出、日本ブランドとしての魅力が人気の理由
・アシックスとは同じ会社だが、スポーツ競技用と街履き用という明確な違いがある
・ユマ・サーマンやアンディ・ウォーホル、田村淳さんや山下智久さんなど、国内外の著名人が愛用している
・人気モデルの一例としてはMEXICO 66、SERRANO、GSMの3つが挙げられ、それぞれ異なる特徴を持つ
・MEXICO 66の人気色は、バーチ/ピーコート、ブラック/ホワイト、イエロー/ブラックがトップ3
・「ダサい」という評価は少数派で、実際にはどの世代からも高評価を得ている
・軽量性とフィット感が高評価だが、薄底モデルは長時間歩行には注意が必要
・30代〜50代がメイン層だが、子供から大人まで幅広い年齢層に対応している
・スリムなシルエットと薄底デザインが、スカートやワンピースにも合わせやすく女性に人気
オニツカタイガーが人気の理由は、海外での戦略的成功、リーズナブルな価格、芸能人の愛用、デザインや履き心地の良さ、そして年齢や性別を問わない多面的な魅力にあります。

氏名:宮城良太(みやぎ りょうた)
生年月日:1995年10月21日
略歴:文化服装学院(工芸課程)→デザイナー(スポーツアパレル)→個人業(財布の製造・ブログ)
好きな言葉:要は慣れ
