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「ヴィーガンレザーって、すぐボロボロになるんでしょ?」
そんな声をよく耳にします。実際、安価な合皮のバッグが1年も経たずに表面が剥がれてきた、という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
アップルレザーやグレープレザーといった植物由来の新素材も登場し、環境に優しく、動物を犠牲にしない素材として支持される一方で、「本革と比べて劣化が早い」「高いお金を出すほどの価値があるのか」という疑問の声も少なくありません。
実際のところ、ヴィーガンレザーの耐久性はどの程度なのでしょうか。本革と比べてどんなデメリットがあり、逆にどんなメリットがあるのでしょうか。そして、最新の植物由来素材は従来の合皮とどう違うのでしょうか。
今回は、ヴィーガンレザーの劣化について、その実態と対策、そして意外なメリットまで、実例を交えながら詳しく解説していきます。購入を検討している方はもちろん、すでにお持ちの方のメンテナンスの参考にもなる情報をお届けします。
- 耐久性は素材で差あり
- 水に強く手入れ簡単
- 経年変化はしない
- 多くは従来の合皮同様
ヴィーガンレザーは劣化が気になる?前編
デメリットは?ヴィーガンレザーの耐久年数は?
ヴィーガンレザーを検討する際、避けて通れないのが耐久性の問題です。他にも、通気性の悪さ、修復の困難さ、経年変化を楽しめない、熱に弱いなどのデメリットがありますが、なかでも買い替え頻度が高くなるという経済的な負担を考えると、耐久性の問題が最も現実的な悩みとなるでしょう。
まず、実際の耐久年数はその素材の種類と品質によって大きく異なります。安価なPVCレザーの場合、1〜2年で表面のコーティングがベタついたり剥がれ始めたりすることが多く、毎日使うバッグや靴なら1年持たないケースも珍しくありません。一方、標準的なPUレザーなら2〜4年程度は使用可能で、週数回の使用頻度であれば3〜5年持つこともあります。
さらに植物由来成分を含む高品質なヴィーガンレザーになると、5年程度の使用に耐え、丁寧に扱えばさらに1〜2年使い続けられる製品も存在します。なかには専門的な試験で10年の耐久性が証明されているアップルレザーのような素材もあり、品質の向上が進んでいることがわかります。
ただし、製品の寿命は素材だけで決まるわけではありません。縫製の質、金具の品質、裏地や芯材の有無、コバ処理などの仕上げといった製造面での品質が、実は素材以上に耐久性を左右することも多いのです。安い本革製品より高品質なヴィーガンレザー製品の方がコストパフォーマンスに優れているということは十分にあり得るのです。
結局のところ、素材と製造品質、そして日々の扱い方の掛け算で製品の寿命が決まります。ヴィーガンレザーと本革のどちらを選ぶ場合でも、修理サービスの有無や保証期間、実際の使用者による耐久性の評価など、総合的に判断して信頼できるブランドを選ぶことが、長く愛用するための鍵となります。
加水分解もヴィーガンレザー(PUレザー)のデメリット
ヴィーガンレザー(特にPUレザー)には、加水分解というやっかいな問題があります。高温多湿な環境での長期保管、クローゼットや箱の中といった密閉された場所での保管、そして5年以上経過した製品で特に起こりやすく、靴やバッグの裏地などでも発生することが多いのが特徴です。
加水分解が起きると、表面がベタベタしてきたり、ボロボロと崩れたり、粉を吹いたような状態になります。しかし実際のところ、話題になる割には日常生活で遭遇することは意外と少ないものです。なぜなら、そもそも加水分解する前に他の劣化が理由で買い替えることが多く、日常的に使っているものは通気があるため起こりにくいからです。また、現代のPUレザーは以前より加水分解しにくく改良されています。

メガネケースの底面|摩擦による薄い合皮コーティングの剥離|加水分解だと言われればそう見えなくもない
また、加水分解以外にも、コーティング層の剥離という劣化があります。私が最近経験したのは、メガネケースの表面の合皮がポロポロと剥がれ落ちる現象でした。硬いプラスチック基材に薄い合皮が貼られているタイプで、触るたびに特に底面部分の合皮がポロポロと剥がれてきます。見た目には加水分解と区別がつきにくいのですが、摩擦による物理的な剥離が主な原因と思われます。
というのも、加水分解の場合は全体がベタベタして粉状に崩れますが、私のメガネケースは下地のグレー部分はしっかりしていて、単純に薄いコーティングが物理的に剥がれているだけでした。安価な合皮製品によくある劣化パターンで、ある意味、加水分解よりも頻繁に見かける現象かもしれません。
本当に加水分解が問題になるのは、ヴィンテージスニーカーのPUソール、長期保管していた合皮ジャケット、使わずにしまっていたバッグなどです。結局のところ、日常使いでは加水分解を心配するより先に他の劣化で買い替え時期が来るというのが実情です。
劣化しやすい?ヴィーガンレザーのスマホケース
スマホケースは、ヴィーガンレザー(合皮)製品の中でも特に劣化が目立ちやすいアイテムです。1日に何十回も手で触り、ポケットやバッグへ頻繁に出し入れすることで、皮脂や手汗が常に付着し、摩擦も多くなるため、他の製品より過酷な環境にさらされています。
劣化の症状は早ければ半年程度で現れ始めます。まず角や端から表面のコーティングが剥がれ始め、特に白や淡色のケースは黄ばみや黒ずみが目立ちやすく、手帳型ケースでは開閉を繰り返す折り曲げ部分にひび割れが生じやすいという特徴があります。
衛生面でも問題があり、皮脂や雑菌が素材に染み込みやすく、かといってアルコール消毒をすると劣化を促進してしまうというジレンマがあります。ベタついた表面にはさらに汚れが付着しやすくなり、悪循環に陥ってしまいます。
現実的な対応策として、いくつかの選択肢があります。初めから1年程度での買い替えを前提として使用するか、長期使用に耐える本革製を選ぶか、あるいは100円ショップなどで販売されている極端に安価な合皮製品を選んで、より頻繁な交換を前提に使用するという方法も人によってはありかもしれません。
また、発想を変えてシリコン素材のソフトケースやポリカーボネート素材のハードケースを選ぶのも賢明な選択です。これらの素材なら水洗いが可能で、清潔さを保ちやすいという大きなメリットがあります。スマホやそのケースには想像以上に雑菌が付着していると言われているので、衛生面を重視した素材選びをすることも大切かもしれません。
ジャケットのヴィーガンレザーも劣化しやすい?本革との違いは?

重厚感のある本革ジャケット
ジャケットも体の動きに合わせて常に屈曲や伸縮を繰り返すため、財布やバッグよりも劣化が目立ちやすいアイテムです。特にヴィーガンレザーの場合、肘、肩、脇の下といったよく動く部分から表面のコーティングがひび割れたり、剥がれたりしやすく、2〜3年使用すると屈曲部分の劣化が目立ち始めます。一度ひび割れが始まると修復が難しいのも大きな難点です。
これに対して本革の場合、動きの多い部分にシワは入りますが、これが「味」として楽しめる経年変化となります。加えて、体の動きに自然に追従し、破れにくいという利点があります。
一方で、ヴィーガンレザーのジャケットには軽さという大きな魅力があります。本革の約半分から3分の2程度の重さのものが多く、長時間着用しても疲れにくいのが特徴です。春秋の羽織りとして使う場合、この軽さは快適性に直結し、旅行や出張の際も荷物として持ち運びやすいという実用的なメリットがあります。本革のような「慣らし期間」が不要なのも、すぐに使い始めたい人にとっては嬉しいポイントでしょう。
選び方は用途や価値観によって変わってきます。安価でカジュアルな普段着として気軽に着たい、2〜3年でトレンドに合わせて買い替えたい、アクティブに動く機会が多い、メンテナンスに時間をかけたくないという方にはヴィーガンレザーが向いています。
一方、長年愛用したい一着を探している、経年変化や重厚感を楽しみたいという方には本革が適しているでしょう。最近は高品質なヴィーガンレザーも増えており、耐久性も以前より向上しています。実際に着用頻度や使用シーンを想像しながら、素材の特性と自分のニーズを照らし合わせて選ぶことが大切です。試着の際は、腕を動かしたり前かがみになったりして、動きやすさや軽さを実感してみることをおすすめします。
経年変化はしないヴィーガンレザー

経年変化は本革ならでは
現在のヴィーガンレザー(合成皮革)は、技術の進歩により本革のような風合いや質感、高級感を実現した製品も多く登場しています。5年以上使える製品も増え、マイクロファイバー基布の採用や多層構造による耐久性向上、環境に配慮した製法の登場など、技術的な進歩は目覚ましいものがあります。
しかし、どんなに技術が進歩しても埋まらない決定的な差があります。それが経年変化の有無です。本革、特に植物タンニンで鞣した革は、時間とともに色が深まり、艶が増し、使う人の手に馴染んでいく「育つ」素材です。対してヴィーガンレザーは、どんなに高品質でも「劣化する」ことはあっても「育つ」ことはありません。
新品時には本革より美しく見えることもある高級なヴィーガンレザーでも、10年後には確実に本革との差が表れます。最近の高品質な製品は確かに劣化が目立ちにくくなりましたが、経年変化で良くなることは絶対にありません。つまり「マイナスが減った」だけで、使い込むほどに魅力が増すという「プラス」にはならないのです。
ヴィーガンレザーは「新品が最高の状態」で、そこから下り坂を辿る一方、本革は「使い始めてからが本番」という素材の本質的な違いがあります。技術革新により劣化速度は遅くなりましたが、それでも「変化」との違いは埋められません。
ただし、すべての人が経年変化を求めているわけではありません。特に女性の場合、本革製品であっても経年変化せずに初期の美しさを長く保てる方が良いという方も多くいます。新品の状態をできるだけ長く維持したいという価値観も十分に理解できます。
結局のところ、経年変化の有無は予め理解した上で購入すれば、それほど問題にはならないでしょう。自分が何を求めているのか、製品にどんな価値を見出すのかを明確にして選択することが大切です。
▼劣化しにくいアップルレザー【LOVST TOKYO】
国産アップルレザーを用いたレディース革小物・バッグ《LOVST TOKYO》
ヴィーガンレザーは劣化が気になる?後編
ヴィーガンレザーの種類&合皮との違いについて
ヴィーガンレザーには様々な種類がありますが、大きく分けると「従来型の合成皮革」と「植物由来の新素材」に分類できます。従来型には、最も安価で一般的なPVCレザー(塩化ビニール)と、より柔らかく本革に近い質感のPUレザー(ポリウレタン)があります。そして、植物由来の新素材には、アップルレザー、サボテンレザー、パイナップルレザー、マッシュルームレザー、グレープレザー、コルクレザーなどがあります。
ここで重要なのは、ヴィーガンレザーと合皮には実質的な違いがないという事実です。多くの場合、従来の合成皮革(PVCレザーやPUレザー)をそのまま「ヴィーガンレザー」と呼び変えただけのリブランディングに過ぎません。「合皮」という言葉が持つ安物・偽物(フェイクレザー)のイメージを、「ヴィーガンレザー」というエシカルで環境に配慮した響きに変えることで、訴求しやすくなり、若い世代へのアピールにもつながるというマーケティング戦略なのです。

アップルレザーのLOVST TOKYOより
ただし、植物由来の新素材には、それぞれ独自の特徴があります。アップルレザーはりんごの搾りかすを20〜30%配合、サボテンレザーは水をほとんど使わず栽培可能、パイナップルレザーは農業廃棄物の有効活用、マッシュルームレザーは最も本革に近い構造を持つなど、環境への配慮という点で従来の合皮とは一線を画しています。
とはいえ、これらの植物由来素材も通常、50%以上はポリウレタンなどの石油由来樹脂でできているため、「植物由来成分入り合皮」というのが正確な表現でしょう。市場の90%以上は依然としてPVC・PUレザーが占めており、アップルレザーなどの植物由来系の素材はまだニッチな存在です。
環境への配慮や動物素材の不使用などの価値観に合った購入体験を目的とするなら、単に「ヴィーガンレザー」と表記されているものではなく、アップルレザーやサボテンレザーなど具体的な素材名が明記されている製品を選ぶことをおすすめします。
メリットは?ヴィーガンレザーの魅力
これまでデメリットに注目してきましたが、ヴィーガンレザーにもしっかりとしたメリットがあります。まず価格面では、従来型の合成皮革なら本革の3分の1から5分の1程度の価格で購入できるため、気軽に買い替えたり、トレンドを追いやすいという利点があります。ただし、アップルレザーなどの植物由来素材は本革製品と同等の価格帯になることも多いです。
動物を使わないという点は、単なる素材の違いを超えた価値を持ちます。動物愛護の観点から選ぶ人、ヴィーガンの人、宗教的理由で革が使えない人など、様々な価値観や信条を持つ人々のニーズに応えられる素材です。
品質の均一性も見逃せないメリットです。本革のような個体差による傷やシワ、色ムラがないため、実物を確認できないオンラインショッピングでも安心して購入できます。また、本革より軽量で、特にバッグなどでは日常的な持ち運びの負担が大きく軽減されます。
カラーバリエーションの豊富さも魅力の一つで、鮮やかな色やメタリックな質感など、本革では表現しにくい特殊な加工も可能です。ただし、植物由来素材の場合は、現状ブラック、ベージュ、ホワイトなどベーシックなカラー展開が中心となっています。
興味深いのは、経年変化しないことをメリットと捉える視点です。革を育てることに興味がない人にとっては、高品質なヴィーガンレザーなら5年以上、購入時とあまり変わらない見た目を保てるため、むしろ好都合といえるでしょう。
総じて、ケアが楽で軽く、気軽に使えるという点では非常に優れた素材です。日常的なメンテナンスはほぼ不要で、雨の日も気にせず使えるという実用性の高さは、忙しい現代人のライフスタイルにマッチしています。財布や靴、バッグ、家具、スポーツ用品など、あらゆる分野で普及しているのも、こうした実用的なメリットがあるからこそでしょう。
グレープレザー(ヴィーガンレザー)の財布|LOVST TOKYO

Grape Vine Wallet|LOVST TOKYOより
植物由来のヴィーガンレザー製品を実際に使ってみたいという方に、LOVST TOKYOのコンパクトな三つ折り財布「Grape Vine Wallet」をご紹介します(2025年8月時点:19,500円)。同ブランドはアップルレザーやグレープレザーなど、植物由来成分を配合したヴィーガンレザーのアイテムで注目を集め、テレビのニュースなどメディアにも多数登場している人気ブランドです。
まず、注目すべきポイントとして、この財布のメイン素材となるグレープレザーは、ワイン製造時に排出されるぶどうの搾りかすと植物油を配合したイタリア発の素材です。表面の樹脂層には天然原料が50%以上含まれており、従来の合成皮革とは一線を画す環境配慮型の素材となっています。
デザイン面では、財布の両サイドにぶどうの蔓をイメージしたかがり縫いが施され、さりげない個性を演出。ボタンなどのゴールドカラーの金具が上品なアクセントとなり、ビジネスシーンでも違和感なく使用できる洗練された仕上がりになっています。
機能性も充実しており、内装には3つのカードポケットがあり、計6枚(各ポケットに2枚ずつ)のカード収納が可能。さらに、外装のフロントポケットにもタッチ決済用のカードを入れられるため、財布を開かずに支払いができる利便性も備えています。また、三つ折りタイプでありながら、お札入れには仕切りがあり、紙幣とレシートを分けて管理できるのも便利なポイントです。
小銭入れは控えめなサイズ設計ですが、キャッシュレス決済をメインとする方にとっては十分な容量と評価されています。
柔らかな触り心地と傷がつきにくい耐久性を両立し、使い込むほどに手に馴染んでいく感覚もあるというグレープレザー。環境への配慮と実用性を両立させたい方にとって、魅力的な逸品となっています。
アップルレザー(ヴィーガンレザー)のバッグ|LOVST TOKYO

Apple 4Way Gather Bag|LOVST TOKYOより
LOVST TOKYOのアップルレザー製品から、4通りの使い方ができるミニバッグ「Apple 4Way Gather Bag」をご紹介します(2025年8月時点:19,800円)。ブラック、グレージュ、オフホワイトの3色展開で、青森県産のりんごから生まれた国産アップルレザー「aplena(アプレナ)」を使用している注目の逸品です。
この「aplena」は、青森県のJAアオレンと共和ライフテクノとの協力により開発された素材で、年間約20,000トンのりんごを加工する過程で出る搾りかすを活用し、石油由来原料の使用を抑えた国産のアップルレザーとなっています。表面にはポリカーボネート系樹脂を採用しており、過酷な環境での劣化促進試験で10年以上の高耐久性が証明されている点も注目すべき特徴です。
バッグ本体は約160gと軽量ながら、バンブーとチェーンの2種類の持ち手、さらにショルダーストラップを組み合わせることで4通りの使い方が可能。カジュアルな印象のバンブーハンドルはデニムスタイルなどの普段使いに、チェーンハンドルに付け替えればパーティーやディナーにも対応できる洗練された雰囲気に変化します。
サイズは縦約19cm×横約18cm×マチ約12cmとコンパクトながら、500mlのマイボトルや長財布も収納できる実用的な容量を確保。内側にもポケットがあり、鍵やイヤホンなどの小物も整理しやすい設計です。
TBSドラマ『Eye Love You』でも使用されたこのバッグは、持ち手の付け替えも簡単で、朝の忙しい時間でもサッとスタイルチェンジが可能。環境への配慮と実用性、そしてファッション性を高いレベルで融合させています。
国産素材へのこだわりと、一つで複数のスタイルを楽しめる機能性。アップルレザーという革新的な素材を使いながら、日常使いからフォーマルシーンまで幅広く対応できる、現代のライフスタイルに寄り添うバッグとして注目を集めています。
手入れについて|ヴィーガンレザーは水に強い?

LOVST TOKYOより
ヴィーガンレザーの大きな特徴の一つが、水に対する強さです。従来の合成皮革であるPUレザーやPVCレザーはもちろん、アップルレザーなどの植物由来素材も優れた撥水性を持っています。雨の日でも気にせず使えて、汚れても簡単に拭き取れるという実用性は、日常使いにおいて大きなメリットとなります。
LOVST TOKYOの公式サイトによると、同ブランドが使用するアップルレザーは、JIS規格の検査で撥水等級4級を取得しており、傘などの撥水加工製品と同等の性能を持っているとのこと。これは単なる宣伝文句ではなく、実際の検査結果に基づいた性能であることがわかります。
特にバッグにおいては、この撥水性が大きな強みとなります。突然の雨で慌てることもなく、濡れた手で触っても染みになりにくいという安心感は、本革製品では得られない利点です。
そして、水に強いということは、それだけお手入れも簡単になるということです。ヴィーガンレザーの手入れは、本革と比べて圧倒的にシンプルで、基本的には「汚れたら拭く」だけで十分です。
本革のように定期的な栄養分の補給や専用ブラシでの手入れは不要で、防水スプレーも必要ありません。保管時も極端に暑い場所や直射日光を避け、通気性のある場所に置くだけという簡単さです(もし、クリームを使う場合は、ヴィーガンレザー専用のものを使うようにしましょう)。
まとめると、「汚れたら早めに拭く」「過度な手入れはしない」「極端な保管環境は避ける」という3つのポイントを守るだけで、長く良い状態を保てます。忙しい現代人にとって、このメンテナンスの手軽さは、ヴィーガンレザーを選ぶ大きな理由の一つとなっています。
まとめ ヴィーガンレザーは劣化が気になる?
ヴィーガンレザーの劣化について、メリット・デメリットの両面から詳しく見てきました。
・耐久性が低く買い替え頻度が高くなるのが最大のデメリットで、安価なPVCレザーは1〜2年、標準的なPUレザーで2〜4年、高品質な植物由来素材でも5年程度が寿命の目安
・PUレザーには加水分解のリスクがあるが、日常使いでは他の劣化で買い替えることが多く、過度に心配する必要はない
・スマホケースは皮脂や摩擦で半年程度から劣化が始まり、衛生面でも問題があるため、1年程度での買い替えが現実的
・ジャケットは屈曲部分から劣化しやすいが、軽さという大きなメリットがあり、用途によって本革と使い分けるのが賢明
・経年変化を楽しめないのは素材の本質的な特徴で、新品の状態を長く保ちたい人にはむしろメリットになる
・ヴィーガンレザーと合皮は実質的に同じで、多くは従来の合成皮革のリブランディングだが、植物由来素材には独自の特徴がある
・価格の安さ、動物不使用、品質の均一性、軽さ、カラーバリエーションの豊富さなど、実用面でのメリットも多い
・LOVST TOKYOのグレープレザー財布は、天然原料50%以上配合で環境に配慮しながら実用性も備えた製品
・同ブランドの国産アップルレザーバッグは、青森県産りんごの搾りかすを活用し、10年以上の高耐久性を実現
・水に強く手入れが簡単で、基本的には汚れを拭き取るだけのメンテナンスで長く使える
ヴィーガンレザーは確かに劣化しやすい面もありますが、素材の特性を理解し、用途や価値観に合わせて選択すれば、十分に魅力的な選択肢となります。
▼劣化しにくいアップルレザー【LOVST TOKYO】
国産アップルレザーを用いたレディース革小物・バッグ《LOVST TOKYO》

氏名:宮城 良太(みやぎ りょうた)
略歴:文化服装学院→デザイナー
使いやすさを大切にしたモノづくりとファッション分野の情報発信に取り組んでいます。